集金を自動化する（サブスクリプション）

オンラインサービスに限らず、スポーツクラブや各種レッスン、塾など、会費や月謝の集金を必要とするビジネスは案外多くあります。
そのような定期的に集金を行うビジネス（サブスクリプション）の場合、その集金にかかっている事務は煩雑で面倒ではないでしょうか。このような定期的な集金は「自動化」が可能です。

まずは現状を把握してみましょう

定期的な集金に関して、現在どのような事務手数が必要となっているか、あらためて確認する作業を最初に行っておくことをお勧めいたします。この場合、支払側と事務側の双方の視点で検証を行なってください。

会員一人あたりについて、入金確認を行うために必要な作業時間を割り出してみます。リストを確認して、期日までに入金がない場合には催促メールを出し、銀行口座を確認して・・といった具合に一連の作業内容を細分化して確認し、それに係る時間を計測して試算します。
例えば、それを平均7分だと仮定できた場合、500名の会員がいるビジネスでは、

7分 × 500人 = 3,500分
3,500分 ÷ 60分 = 58.33時間
58時間 ÷ 8時間 = 7.25日

つまり、500名の入金確認を行うために、１日の作業時間をすべてそれに充てると考えた場合であっても、１週間以上の時間を要しているという計算となるわけです。実際は、それ以外にも事務仕事は色々とあるはずなので、結局のところ、入金確認を手動で行う場合には事務職を一人は置かなくてはならない、という経営判断となることでしょう。

果たしてその方の月給はどれくらいが適切でしょうか。また年間の人件費をどれくらい見積るのが妥当でしょうか。

他方、支払側の手間はどのようになっているでしょうか。
例えば銀行振込を指定されている場合は、通常振込手数料が発生します。またオンラインで手続きせず、わざわざ銀行に出向く方にとっては振込手続き自体に煩わしさを感じているはずです。

以上のような方法はヒューマンエラーを招きやすく、時に人為ミスが原因でトラブルが発生する可能性もあります。どのような支払方法であれ、会員自身が支払完了を証明できる仕組みは必須といえます。

メンバーシップとは？

Joomla! のエクステンションのひとつにメンバーシップがあります。
メンバーシップとは、会員システムと言いかえても良いものですが、以下のメンバープランを含む仕組みを指します。

メンバープラン

定期的な集金の自動化を目指す場合、まず最初に行うのがメンバープランの作成です。
このメンバープランでは、集金サイクル（１ヶ月毎、１年毎など）や価格、各種通知メールの文面などを設定します。通知メールにはリマインダーも含まれ、指定した期日（１週間前など）に支払期日が迫っていることを利用者に通知できます。

また、メンバープランに申込が完了した会員を特定のアクセス権限を持つ「ユーザーグループ」に自動割当を行うことが可能です。会員だけが利用できるWEBサービスを用意することで、会員メリットを提供できます。

決済システム

上記メンバープランと決済サービス（PayPal や Stripe など）を連携させることで、クレジットカード決済や銀行振込などをシステムの一部として組み込むことができます。

ウェブサイトにメンバープランを組込み

メンバープランをサイト上に公開し、サイト訪問者の申込受付が行えるようにします。
また申込後は、会員専用メニューから支払履歴の確認や退会手続きが行えるマイページを用意します。

通知メール

メンバープランを通じて入会申込や更新手続きが行われた場合、都度システムから通知メールが自動送信されます。これにより入金状況をタイムリーに知ることができます。また全体の入金状況は、管理ページにアクセスすれば、いつでも最新情報を確認することができます。

入金用の銀行口座

通常、メンバープランから入会申込や更新手続きが行われると、決済サービス上に設けられたアカウントに直ちに入金されます（この際、決済サービス規定の手数料が差し引かれます）。その後、例えば決済サービスのひとつである Stripe の場合、指定したサイクル（週１、月１など）で指定銀行口座にアカウント入金分を自動送金してくれます（その際には手数料は発生しません）。

楽天銀行などネット銀行を利用すると、入金があった際には銀行からも通知メールが届きます。
メンバーシップ運営の際には、この通知メールに対応している銀行口座を利用した方が何かと便利でお勧めです。