ホームページを公開するには、サイト構成ファイルを設置するサーバーをはじめ、ドメインや SSL など、種々を検討し準備する必要があります。
サーバーの選択
ホームページを公開するためには、サイト構成ファイルを格納する「サーバー」が必要で、通常レンタル契約をして利用します。サーバーを提供するホスティング会社は国内外に多数あり、また1つのホスティング会社の中でも複数のプランを用意しているため、適切なサーバーを選択することはとても難しい現状があります。
まず最初に理解しておきたいのは、レンタルサーバーの種類です。
大きく3タイプありますが、これを理解するためには住宅イメージを重ねると分かりやすくなります。
Shared server 共有サーバー |
Virtual private server VPS |
Dedicated server 専用サーバー |
|
---|---|---|---|
特徴 |
物理的な1台のコンピュータを複数のユーザで利用するレンタル形態です。CPU、メモリ、ネットワーク等のリソースを全ユーザで共有した状態で稼働するタイプのサーバーです。 共有する利用者により悪影響が出る可能性が高いため、ビジネスユースには向きません。 |
物理的な1台のコンピュータを複数のユーザで利用するレンタル形態という意味では共有サーバーと同じですが、仮想技術により、CPUやメモリ、ネットワーク等のリソースを利用者毎に専有できるので、専用サーバーに近い使用感が得られます。 | 物理的な1台のコンピュータを利用者が専有した状態で利用できるレンタル形態です。 自由度が高い反面、サーバーおよび周辺知識がないと利用が難しい側面があります。 |
住宅イメージ | 集合住宅(アパート) | テラスハウス | 一戸建て |
物理的な共有 | 有 | 有 | 無 |
IPアドレス | 共有 | 単独 | 単独 |
管理権限 | 無 | 有 | 有 |
利用料 | 安い | 中間 | 高い |
レンタルサーバーの種類とは別に、機能的な側面からサーバーの種類を分類することができます。これらは、通常レンタルサーバーを契約する際に含まれていることがほとんどですので、あまり意識しないかもしれません。
サーバー選択時に見落としがちな「メールサーバー」としての役割
あまりに多くの方が、ビジネスユースに「共有サーバー」を選択している実態がありますが、共有サーバーを推奨できない最大ポイントはIPアドレスの共有にあります。
IPアドレスとは「ネット上の住所」に相当するもので、ドメインとは裏と表の関係にあります。人間が認識しやすいドメインは、コンピューターが認識しやすい数字の羅列、IPアドレスに置き換えられて処理されます。
共有サーバーの場合、たとえ独自ドメインを取得していたとしても、そのドメインに紐づいているIPアドレス自体が共有されています。これは、個人も法人も関係なく、雑居ビルに同居しているようなものなのです。
もし同居している誰か一人でも(スパムメールを送信するなど)ネット上で不正を働いたならば、世界中に点在する機関でIPアドレス自体がブラックリストに登録されてしまう危険性があります。もしブラックリストに登録されたならば、同じIPアドレスを持つ共有サーバー内の全ドメインは、メールの送受信に悪影響を被ることでしょう。
ある日突然、お客様とのメールの送受信が正常に行えなくなったら、ビジネス上の打撃は決して小さくはありません。
4CREATOR JAPAN では、ビジネスユースのホームページに対しては VPS を推奨しておりますが、やむなく共有サーバーを選択する場合は、上記「IPアドレス」問題の極小化を期待できるレンタルサーバーをご紹介しております。
サーバーの仕様
上記にレンタルサーバーの大きな違いを示しましたが、どのタイプを選択したとしても、ホスティング会社やプランによって、サーバーを構成する要素は異なっており、価格バランスが適正かを見極めるのは容易ではありません。
Joomla! や WordPress といった CMS を利用する場合、サーバーの仕様面をチェックすることは特に重要となります。
また、PHP や MySQL といった、プログラムやデータベースを動かすために必要な要素については、バージョンについても確認をしておく必要があります。
加えて、サーバーの種々の設定を行う管理コントロールパネルは案外重要で、管理に要する時間に影響します。
海外のホスティング会社は cPanel という優れたツールを採用しているところが多いですが、日本のホスティング会社は独自ツールを提供するところが多く、利便性や信頼性が低い場合があります。
さらに、ホスティング会社との契約時には見えにくい大事な要素として、サポートのスピードと信頼性にも触れておきましょう。
24時間体制で高品質なサポートが得られるホスティング会社と契約できれば、ビジネスに大いなる安心感を与えますが、サポートまで満足させるホスティング会社は少ないのが現状です。
サーバー選びは検討項目が多岐に渡るため、信頼できる経験者を頼ることをお勧めします。
4CREATOR JAPAN にホームページ制作をご依頼頂いた場合、サーバー選びからサポートしております。
企業イメージに直結する「ドメイン」とは?
ホームページにアクセスする際、Google や Yahoo! といった検索サイトを利用する場合であっても、ホームページの『住所』に相当する URL が必要となります。この URL は、通常ウェブウラウザの上部にある URL欄に表示されます。
ドメインとは、この URL の核となる冒頭部となります。
例えば、現在ご覧頂いております本ページの URL は、ウェブブラウザの URL 欄でも確認できますように、以下となります:
赤字部分がドメインで、そのサイト内のどのページに遷移してもドメイン部分は変化なく保たれます。
ドメインに含まれる「.biz」部は TLD(トップレベルドメイン)と呼ばれ、「.com」や「.jp」、「.net」「.org」などがよく利用されています。現在では、「.store」とか「.travel」、「.clinic」「.finance」「.kyoto」といった具合に、TLD部だけでも業種・業態、地域等を示せるようなものが増えてきています。
ビジネスに利用するドメインは、ホームページに接続できるならば何でも良い、というものではなく、ブランディングに直結するものですので、ドメイン名から受ける「印象」についても考慮すべきです。
例えば、名刺に「東京都港区青山一丁目」と書かれていれば、業種によってはイメージが良くなるのと同じで、ドメインは企業イメージに直結するものなのです。
なお、ドメインは「先に取ったもの勝ち」の世界です。希望するドメイン名が必ず取得できるとは限りません。
常時SSL時代の新常識
もし閲覧者に何らか個人情報を入力させ送信させる仕組みがあるならば、SSL は必須、と言われていました。しかしそれは一昔前の常識です。
今現在は「常時SSL」の時代となりました。 つまり、問い合わせフォーム等が有ろうが無かろうが、SSL は必須という時代となったのです。ホームページ全体に SSL が常に効いている状態が適正である、ということです。
SSL とは何か?
SSL とは、Secure Sockets Layer の略称で、通信上のデータを暗号化して送信することで、第三者に情報を読み取らせない技術を指します。現在は、SSL のバージョンが 3.0 まで進み、TLS と名称が変更となりましたが、SSL の方が広く認知されておりますので、当サイトでは SSL と表記しています。
常時SSLが常識となった背景
SSL が効いていないウェブページは、第三者による「改ざん」が可能だという指摘があります。つまりアクセスした時点のホームページは本物だったとしても、途中でニセモノが紛れ込む恐れがあるのです。
改ざんが可能ならば、偽リンクがページ内に仕込まれ、気が付かないうちに偽ページに誘導されてしまう恐れが出てきます。本物ソックリに作られたページに誘導されてしまえば、ID や パスワードを盗まれてしまうリスクが高まります。
もし御社サイトが SSL 対応を怠り、実被害を出したならば信用を失うことでしょう。企業イメージに傷が付く結果を招きます。
昨今、街のコーヒーショップ等で無料Wi-Fi を利用する機会が増えていますが、こういった通信環境下では被害が生まれやすいと言えます。
こうした現状をふまえ、最新ウェブブラウザは、SSL が効いていないページにアクセスすると、「安全ではありません」とか「保護されてない通信」という表示をするようになっています。
SSL = 高価、は過去の常識
従来は、SSL の導入および維持は比較的高価でしたし、SSL を使うには独自IPアドレスを必要としていました。 しかし、昨今は SNI(Server Name Indication)という SSL/TLSの拡張仕様が登場したことにより、SSL 導入の敷居は格段に下がりました。サーバーが SNI に対応している場合、新たな導入コストは必要なくなっています。
また、SSL を効かせるとページの読込スピードが落ちるという心配もかつてはありましたが、HTTP/2 の登場以降、過去の常識となっています。
4CREATOR JAPAN にホームページ制作をご依頼頂いた場合、SSL に関するアドバイス、サポートも行なっております。
ホームページを成功に導く企画
ホームページ企画をスタートする際、あなたはどこから考え始めますか?
もし、『カッコいいデザイン』とか『色彩』から考え始めているならば、あなたのホームページは間違いなく『ビジネス的に失敗を招く』と断言できます。
「マーケティング思考の企画立案」ページと内容が重複しますが、重要なポイントですので改めておさらいをしておきましょう。
1ゴール
何を実現したい?(目的)
ホームページを公開して何が達成または実現すれば成功でしょうか?まずはゴールを明確に定義しましょう。
- 問い合わせを増やす
- サービスの認知度アップ
- オンライン販売
- 顧客とのコミュニケーション
- 企業イメージアップ
2ターゲット
誰に届けたい?
ターゲットを設定する際は、できるだけ具体的な顧客像をイメージします。また既存顧客層と潜在顧客層とではどのような対応が必要とされますか(個別な対応が必要でしょうか)。
既存顧客層 | 潜在顧客層 |
---|---|
|
ホームページを経由して開拓できるであろう顧客イメージを出来るだけ具体的にイメージ |
3戦略
競合他社との差別化
ホームページが公開されたならば、あなたの顧客(閲覧者)は他のホームページと比較し検討をするかもしれません。御社の強みを整理しておくと、ホームページ上の表現が変わる可能性があります。
- 同種のサービスを展開している他社の優れた点を挙げてみましょう
- 顧客が知れば決定的となる「差別化」ポイントは何でしょうか
- 他社にはない独自サービスはありますか
- 顧客が御社サービスを選択する理由を想定してみましょう
4コンテンツの検討
- ターゲットの関心度が高いコンテンツとは?
- ターゲットを「ゴール」に導くために必要なコンテンツとは?
- ターゲットを「ゴール」に導くために必要な仕掛けとは?
- ターゲットに「安心」「信頼」を感じてもらうには?
5サイトの機能性
ウェブ機能を必要とする場合は、具体的にどのような機能性が必要かを検討し、またユーザビリティーについても考えます。
ウェブ機能の詳細については、こちらをご覧下さい。
6運営
以下を参考に、ホームページ公開後について検討しておきます。
- ウェブサイトをどのように運営するのか
- ウェブ担当者は具体的に誰なのか
- サポートは必要なのか
- 将来性を見据えた時、何か課題となるのか
- 維持費用はどれくらい必要なのか
ウェブサイト制作費と維持費
ホームページを公開し維持するには、種々の費用が発生します。
特にサイト公開後の維持運営費は見逃しがちなポイントですので、年間計画をしっかり立てる必要があります。
下表の記載額はサンプルですが、Bootstrap(従来型HTMLサイト)と Joomla! とでは、サイト制作費も維持費も大きく異なります。
詳細は「プランと料金」ページをご覧下さい。
支払 | Bootstrap 従来型HTMLサイト |
Joomla! CMS |
|
---|---|---|---|
サーバー | 毎年 | 7,800円 (共有サーバー) |
78,000円 (VPS) |
ドメイン | 毎年 | 1,800円 | |
SSL (SNI) | - | 0円 | |
ホームページ制作 *実際の価格は内容により異なります |
1回 | 240,000円 | 1,200,000円 中規模サイトの例 |
維持費
|
毎年 | 18,000円 (運営サポートのみ) |
276,000円 |
【重要】トータルコストで判断する
その運営、誰かの犠牲の下に成り立っていませんか?
上記の Bootstrap と Joomla! の価格を比較すれば、明らかに Bootstrap の方が安い、という判断になります。しかし、ホームページ制作を行う目的によっては Bootstrap を選択することでトータルコストが跳ね上がる、ということもあり得ます。
例えば、ホームページを窓口に会員募集を行い、イベント等を開催している学会では、会員情報をエクセルで管理したり、案内等を郵送で行う、ということを毎年行なっています。
この場合、Bootstrap を選択したならば、会員受付フォームが実装される程度の内容となります。
すると運営雑務に多くの時間が割かれることとなり、実は膨大な「人的コスト」が発生しています(実際に支払いが生じていないとしても、ご担当者の負担は相当なものとなります 見えないコスト)。
この「人的コスト」や「郵送等の通信費」をきちんと運営費として換算すれば、Joomla! で「自動化」した方が安かった、という結果となり得るのです。
加えて、自動化すれば「人為ミスやストレスが減る」という効果ももたらします。ホームページと著作権
ホームページを外部制作者に依頼した場合、ウェブサイト制作費を完納した後であっても、そのホームページが完全に発注者の"モノ"となるわけではありません。
ホームページは、様々な著作物やプログラムで構成されており、それらには「著作権」が存在します。
外部にホームページの制作を依頼する場合は、著作権法の理解が必須となります。
著作者にはどんな権利がある?(公益社団法人著作権情報センター)
著作権制度の概要(文化庁)
ホームページに付随する著作権の取り扱いですが、以下の2つに分かれます。
- 著作物に対する利用承諾を得る(ライセンス契約)
- 著作権を譲り受ける(著作権譲渡の手続きを行う)
上記の「著作権譲渡の手続き」を経た場合であっても、著作権上、譲渡することができないものがあります。
それは「著作者人格権」です。著作者人格権には、「氏名表示権」「同一性保持権」「公表権」が含まれておりますので、それらを正しく理解をしておかないとトラブルの元となります。
4CREATOR JAPAN では、特にご相談がない場合は、ライセンス契約の前提でお見積額を算出します。著作権譲渡を希望される場合はお見積額が大幅に変わりますので、事前にお申し出くださいますようお願い申し上げます。